月に叢雲 花に嵐

<   2011年 08月 ( 5 )   > この月の画像一覧

蝶ヶ岳

三年前の夏のことです。
僕は人並みにリユツク・サツクを背負ひ、あの上高地の温泉宿から穂高山へ登らうとしました。
穂高山へ登るのには御承知の通り梓川を溯る外はありません。
僕は前に穂高山は勿論、槍ヶ岳にも登つてゐましたから、朝霧の下りた梓川の谷を案内者もつれずに登つて行きました。
朝霧下りた梓川の谷を―
<芥川龍之介「河童」>

8月の29日から31日まで休みがとれたので、
北アルプスをテントを背負って歩いてみた。

8月27日
朝5時の東西線の始発に乗り、
中野から高尾、
高尾から松本…と鈍行を乗り継ぎ、
上高地に着いたのは、13時をまわっていた。

お天気は今ひとつで、芥川龍之介の河童にも登場する河童橋ごしに穂高を見てもこんな感じ。

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しかし徳沢に向かう途中次第に青空が見えてきた。

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徳沢でテントをはり、日没のころには、
穂高が顔を出していた。

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徳沢の徳沢園は井上靖の「氷壁」に出てくる旅館だが…
ここのソフトクリームはなかなか美味い。

8月28日
天気良く穂高が見える。
実は「河童」のごとくこのまま梓川を溯って穂高を目指そうか…とも考えていたのだが、
直前で花畑の多い蝶ヶ岳に行き先を変更した。
…これを行き当たりばったりと言う…(汗)

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徳沢から蝶ヶ岳に登るにはまず長塀山を超えなくてはならないのだが、
7時ごろ出発し長塀山山頂についたのは13時30分に近かった。

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蝶ヶ岳の山頂に到達したころには15時をまわっていた…
撮影しながらとは言え、このタイムは酷い(笑)
…山頂付近では、かなり霧が出ている…

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…テントを設営し、休息したら
日没ごろ穂高がわずかに顔を出していた。

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蝶ヶ岳山頂のテント場はかなり寒く、
ソフトシェルとダウンベストを着て寝る羽目になった…

8月29日
夜明け前…穂高や槍が見える。

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…そして日の出…

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撮影につい夢中になり出発は8時になってしまった…
徳本峠に行くことも実は直前まで迷っていた。
昨日のタイムのことを考えると、日没前にたどり着けるのか危ぶまれたからだが、
最悪、大滝山のテント場で…と考えてもいたのだが…
…そして、不安は現実のものとなる…

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蝶ヶ岳から大滝山に向かう途中はお花畑も多く、
きついながらも楽しめたのだが、
大滝山の北峰の手前あたりで霧が出てきた…
保険にしていた大滝山の山小屋とテント場は熊が出ると言うことで、閉鎖されていた。
…大滝山を抜けると、長い上り下りのある暗いぬかるみの多い林道が続く…
ここで、うっかり足を滑らせ左足を負傷…
明神見晴らしについた時には17時をまわっていた…

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…日が沈んでいく…
ビバークすべきか…進むべきか…悩む…進むことを決断した…と言うよりも、
ビバークを決断できなかったのだが…
18時30分ごろ…徳本峠小屋の赤い屋根が見えた時には心底ホッとした…
ひどい写真だがこれが精一杯…

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星明りの中テント設営…
調理などはもはやできないのでチョコレートなどを食べて寝る。
夜半…星はきれいだったが…もはや写真を撮る気力なし…

8月30日
天気はまずまず…
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7時には出発して、
痛んだ足を引きずり引きずり
「憂きことの なおこの上に つもれかし 限りある身の ちからためさん」
…と歩いて歩いて明神についたのが8時30分ごろ。
被写体はいろいろあったが、
…レンズが結露して曇っている…
上高地はかなり暑かった…

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嘉門次小屋あたりからも穂高が見える…
岩魚の塩焼きを喰っていたら、
レンズの結露は直ったようだ…

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上高地はこちら側のほうが見所が多い…

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12時ごろのバスに乗り、鈍行を乗り継ぎ、
20時ごろ帰宅…
…いやー帰宅ラッシュにかち合ってしまった…

以上、速報でした…

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by murakumolabo | 2011-08-31 04:58 | 写真日記

きのこ

子曰、過而不改、是謂過矣、
<「論語」衛霊公第十五・三十>

あやまちて改めざる、これをあやまちという

23日にアメリカのバージニア州でマグニチュード5.8の地震が発生し、
原発2基が外部電源停止。
即日警戒発令

現在のところ補助電源が作動して事なきを得ている模様。

…これが権力者が国民を守る国と利権ばかりを追求する国の違いなのだろうか…

アメリカでは6月にもネブラスカ・ミズーリで原発が水没していましたが、
これも乗り切った模様…

危険なものは危険と認めるべきだし、
その取り扱いには細心の注意をはらうべきだ。
危険が実証されていないなら、
安全ではなく、最悪の事態を想定すべきだ。

そもそも安全だったら五重の隔壁に閉ざされる必要すらないはずではないか。

しかし、この国のやったことは、
少しなら大丈夫。
風評被害。
無関心。
…原発を推進する立場からすると、事故や被害を過小に報道するのはまことに都合が良く。
またニュースを見ている側も、危険にさらされていることなど認めたくない。耐えられない。
…認めなければ被害がなくなるわけではないんですけどねぇ…

さて、日本が改めるべき過ちとは、
こんなに狭い島国…それも地震の多い…にこれほどの原発を建てまくったことだろうか?
いまだ民主党の多くの議員、自民党のほとんどの議員、
そして心ない財界人や官僚やマスメディアの方々が主導してきた、
原発を推進する姿勢だろうか?
…無論それもある。
…しかし、改めるべきは他にもあるかもしれませんね…リビアのように…

さて…このところ写真が撮れてませんが…
前に撮影したきのこの写真です。

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EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F6.3 シャッタースピード1/200秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

b0084270_22513927.jpg
EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F6.3 シャッタースピード1/60秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

愛鷹山と宝永山に挟まれた高原地帯は、
雨の多い土地である。
頼朝の井戸付近でもいろいろなきのこを見かけるが…
…残念ながらきのこを識別する眼力は私は持っていない。

このこどこのこそこのけそのこここのこのきのこみきわめつかぬ
きのこもくもくぽぽぽぽ~ん

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by murakumolabo | 2011-08-24 23:00 | 写真日記

クサギに舞う黒い蝶

子貢問政、
子曰、足食足兵、民信之矣、
子貢曰、必不得巳而去、於斯三者、何先、
曰去兵、
曰必不得巳而去、於斯二者、何先、
曰去食、自古皆有死、民無信不立。
<「論語」顔淵第十二・七>

子貢「お師匠様、政治って何ですか?」
孔子「民を飢えさせず、民を外国から守り、民に信用されることじゃ」
子貢「もし3つもできない時はどうしましょう?」
孔子「軍備を諦めるんじゃな」
子貢「もし1つしか実現できない時はどっちにしましょう?」
孔子「食料を諦める…それくらい政治にとって信用は大事なことなのじゃ」

…調整運転中であった北海道の泊原発の3号機が運転を再開したようです…
許可した北海道知事は元経済産業省の官僚だそうですね…

自民党の石破政調会長は国会議員でもっとも多くの東電の株を所持しており、
娘さんは今年東電に入社されたようですね。
最大野党がこのざまでは東電救済法案などがまかり通るのもむべなるかな。
…もっとも、戦後の原発政策を進めてきた非の多くは自民党にこそあるのですがね。

海江田万里は…又吉イエスの言うとおり、腹を切って死ぬべきだ
唯一神の慧眼恐るべし…ハイパーレスキューを脅迫した卑劣漢の正体をこの時点でお見通しであったようだ…
これが首相候補とは…何の冗談だろうか…

この国においては、一番大事なはずの信用を真っ先に投げ捨てる政治家のなんと多いことか…

さて、本日の写真です。

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EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F6.3 シャッタースピード1/100秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

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上のトリミングです。

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EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F6.3 シャッタースピード1/1600秒 EV0.0
ISO感度800 スポット測光 AWB

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上のトリミングです。

b0084270_23365659.jpg

EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F6.3 シャッタースピード1/1250秒 EV0.0
ISO感度800 スポット測光 AWB

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上のトリミングです。

b0084270_2337570.jpg

EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F6.3 シャッタースピード1/640秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

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上のトリミングです。


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by murakumolabo | 2011-08-18 00:00 | 写真日記

黒いアゲハの飛翔

建久4年(1193年)鎌倉幕府を開いた源頼朝は富士の裾野で盛大な巻狩りを催した。
有名な曽我兄弟の仇討ちの舞台でもある。
そのときの名残で今でも富士の南麓は頼朝所縁の史跡が多く残されている。

愛鷹山の麓には頼朝の井戸と言う古い史跡があるが、
ここから富士サファリパークに向けて国道469号線沿いを歩いていると、
実に多くの昆虫の死骸が落ちていた。
…おそらく自動車に撥ねられたものであろう…

この道でほとんど傷がないカラスアゲハを見つけたので、
拾っておいた。
まぁ展翅板も今では持ってないし、標本をカツオブシムシに荒らされるのもイヤなので、
翅だけいただいて半紙にはさんで辞書に綴じておいた。
かつて、南富士エバーグリーンラインを歩いていたらミヤマカラスアゲハを拾ったこともある。

私は蝶の写真を撮りに行く際には、マイカーなどは使わず、できるだけ公共の交通手段と足を使うことにしている。
撮影すべき蝶を轢いてしまうことがないように…

この日はサファリパークを過ぎ、愛鷹山登山道に差し掛かるころ、
うまい具合に御殿場行きのバスが来たので少し楽をすることができた。
普段は須山まで歩いて三島行きのバスに乗るのだが…

さて、本日もお盆の黒い蝶をもう少し…

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EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F5.6 シャッタースピード1/1000秒 EV0.0
ISO感度800 スポット測光 AWB

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上のトリミングです。

…ちょっと翅が切れたが…

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by murakumolabo | 2011-08-16 22:49 | 写真日記

定点観測

富士山の南に愛鷹と言う山があるが、
この山の麓…高度900メートル程のところで、
例年、ゴールデンウィークはバードウオッチングを、
お盆時はクサギの樹を観察している。

この地は、宝永4年(1707年)の宝永大噴火の名残を留め、
未だ地表は多孔質の玄武岩に覆われており、
あまり背の高い樹が存在しない。
しかし生態系はまずまず豊富で、自然観察には適している。

ここのクサギの樹は例年この時期になると、黒いアゲハが多く集まってくる。
捕虫網を持ってこの樹の下で待っていれば採集することは容易だけれども、
君、捕らえること勿れ。
お盆の黒い蝶には、ご先祖様の魂を案内する役目があるのだから…

さて、今日はこの黒いアゲハたちの写真をアップしよう。


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EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F5.6 シャッタースピード1/320秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

下翅に黄色い帯があるのでミヤマカラスアゲハであろう…
ここのミヤマカラスアゲハの黄色い帯はあまり目立たない。

ここは多雨地帯なので、
傷んだ個体が多いのが残念なところだ。

b0084270_22432866.jpg
EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F5.6 シャッタースピード1/320秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

オナガアゲハ…こちらも傷みがひどい…尾錠突起が欠けてしまっている…
…両方欠けたら、ぱっと見クロアゲハと区別がつかない…

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EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F5.6 シャッタースピード1/320秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

下翅の上部に白い紋があるのは、
クロアゲハのオスである。

b0084270_22483588.jpg
EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F5.6 シャッタースピード1/320秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

クロアゲハのメスは下翅にカラスアゲハのような光沢がある。

b0084270_2254467.jpg
EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F5.6 シャッタースピード1/320秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

同じくクロアゲハのメス…赤い紋が派手だ…

b0084270_22551452.jpg
EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F5.6 シャッタースピード1/320秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

こちらはノーマルのカラスアゲハ。

昔はモンキアゲハも良く見かけたのだが、今年は見つからなかった。

b0084270_22565652.jpg
EOS 60D + EF300mm F4L IS USM + EXTENDER EF1.4×II
絞り優先AE F5.6 シャッタースピード1/320秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

黒いアゲハではないが…
アサギマダラがこの樹に来たのははじめてみた…
アサギマダラが木の枝の先端に翅を閉じて止まったら注意が必要だ…
きっと程なく雨が降るだろうから…

余談ながら、この地の放射線量は(黒テラで)0.11~0.08マイクロシーベルト/時。
市川南東部(0.16~0.13)ほどではないが、
神奈川などと比べて高い数値を示している。
降雨が多いことが影響しているのか、
もしかしたらフクシマ由来ではない放射性物質が影響しているのかもしれない。

ここ数ヶ月、各原発の動きを注視するようになったが、
フクシマの原発以外でも、
1ヶ月に1回は何らかのトラブルが起こっているようだ…
そう考えると原発のある県から高めの放射線が検出されるのは何の不思議もないのかも知れない。

静岡の荒茶からはゆるくなった暫定の基準値すら超えるセシウムが検出されたのは記憶に新しいが、
そもそも測定したこと自体、事故が広く公になったので不承不承測定した結果であった。
…過去に収穫されたお茶も測定していないだけで、測定すれば同じくらい放射性物質が検出されてしまう可能性もゼロではないのではないのか…

風評被害?
…まぁ電源三法給付金によって得るものも大きいが、
失うものもまた大きいと言うことを、周辺住民の方は理解していただきたいものだ。
そして、失うものは、その自治体だけではなく、周辺全てを巻き込むのだ。
原発を稼動させると言うのはそう言うことだ。

泊の3号機は福島第一の3号機と同じプルサーマルなのだが…


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by murakumolabo | 2011-08-15 22:10 | 写真日記