月に叢雲 花に嵐

女郎花と藤袴

夏目漱石の草枕に登場する偏屈な主人公は茶道についてこう述べている。

世間に茶人ほどもったいぶった風流人はない。
広い詩界をわざとらしく窮屈に縄張りをして、
極めて自尊的に、極めてことさらに、極めてせせこましく、必要もないのに鞠躬如として、
あぶくを飲んで結構がるものはいわゆる茶人である。

あんな煩瑣な規則のうちに雅味があるなら、麻布の聯隊のなかは雅味で鼻がつかえるだろう。
廻れ右、前への連中はことごとく大茶人でなくてはならぬ。

あれは商人とか町人とか、まるで趣味の教育のない連中が、
どうするのが風流か見当がつかぬところから、器械的に利休以後の規則を鵜呑みにして、
これでおおかた風流なんだろう、とかえって真の風流人を馬鹿にするための芸である。

…とある。

私は茶道は習ったことはないが、
外から見る限り、たしかに茶道は煩雑すぎると感じてしまう。
私の抹茶はただ点てて飲むだけだ。
たまに茶筅の切れ端やが混ざったり、ダマが残ったりもするけどおいしく飲めればそれでいい。

…抹茶アイスも好きだしね。

千利休はスイカに砂糖をかけただけでマジギレしたそうなので、
もしあの時代に抹茶アイスが存在したのなら、さぞかし面倒なことになったに相違あるまい…

さて、本日の写真は秋の七草より女郎花と藤袴です。

b0084270_034587.jpg

EOS 5D Mark II + EF70-200mm F4L IS USM(200mm)
絞り優先AE F4.0 シャッタースピード1/400秒 EV0.0
ISO感度200 スポット測光 AWB

茶道の作法も知らない不調法者だけど、
花を愛でる心はあるよ。


写真ブログネイチャーフォト
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by murakumolabo | 2010-10-29 23:53 | 写真日記 | Trackback | Comments(3)
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Commented by cox-orange at 2010-11-02 21:25
こんにちは。
毎日チェックはしているんですが、なかなか書き込む余裕がなくて今ごろ失礼します。
夏目漱石、こういう文章も書いていたんですね。。。知りませんでした。
偶然この掲載を読む直前に他の方のブログで同じく漱石の句を見ていたのでちょっとビックリしたりしました。
「釣鐘のうなる許りに野分かな」

そうですね、、、夏目漱石の指摘は「そうでもあり、そうでないともいえる」というのでは答えになりませんね。(汗)
確かに「茶道は煩雑すぎる」というのが一般的なイメージですよね。なにやらややこしい決まり事が多すぎる、理屈が多すぎる、かしこまりすぎる。
でも普通に楽しむ趣旨のお茶会ならば、そんなにエラそうなものではないのですよ。
たぶん原因は二つです。
一つは茶道を生業とする人たちが多くの支持者とパトロンを得るために「付加価値」を上げていった結果、「たいそうなことである」という尾ひれが付いてしまったこと。
二つ目はそういう尾ひれが何も知らない人に「間違ったことをしたら恥をかく」という様な「目に見えない壁」のようなものを作ってしまっていることでしょうね。
Commented by cox-orange at 2010-11-02 21:27
長くなったので分けました:

「お茶」はあくまでも美味しくお茶を飲むためのものだと思います。
でもそのお茶に「綺麗なものが見える素敵な場所」と「美味しいお菓子」と「思わず手にとってつくづく眺めたい様なお茶碗」と「気の置けない友人」がいたらもっと楽しいと思いませんか?
そして茶道の「お茶」というのはあくまでも「濃茶」のことで、この「濃茶」だけはどうしても台所や適当な場所で点てたものは美味しくないし、飲みたいと思わないのです。(あくまで私の場合ですが)
茶道の中でお茶を飲む時、それはその場の世界観も一緒に味わうことと同じなのでしょうね。
何だか難しく書いてしまいましたが、この「世界観」というのもコミケ広場でコスプレしてお気に入りのマンガ本を持って集まって楽しむ「世界」とあまり変りは無く、どっちがエライかなんてあるわけ無いんじゃないかと思います。趣味の問題ですね。

何だか長くなってしまってごめんなさい。
もう少し整理するべきかもしれませんが、今思っていることを書きました。もう少し考えてみますね~。

叢雲さんのお花は好きですよ。
お人柄がよく出てます。
Commented by murakumolabo at 2010-11-03 00:19
>cox-orangeさん
そうですね。
明治のご一新で武士の保護がなくなったのが痛かった…
でも形式を重んずるあまり、
一般的に飲む機会が減ってしまったのなら残念なことに思います。
煎茶はあれはあれでおいしいのですが、
やはり和菓子はお抹茶があいますからね。
もっとも、お薄でおまんじゅうを食べたら怒られてしまうかもしれませんが(笑)
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